住宅医について 再考

住宅医とは?

再度、(もしかして再再度?)説明をしたいと思います。

まずは、住宅医協会のあらましから。(うろ覚えですが。)

前身である岐阜県森林アカデミーより、木造建築物の維持管理について学ぶことの必要性を感じ発足。2010年、建築病理学(建物の病気の研究)の先進国である英国への視察をへて、日本でも普及させるべく2013年に発足しました。

 

日本国内では人口減少などもあり住宅は飽和状態、これからは既存建築物の再生・活用へと政府も舵を切りつつあるなかでの、トップランナー的な存在でもあり、モデル事業に選定されていた時期もありました。

 

早くより切磋琢磨して得た技術や知識を公開・共有し、これまでの反省点より改良を重ねながら多くの建築士に情報を開示し、また最先端の講師陣による教育で「住宅医」を育成してきたのです。

 

と、偉そうにつらつらと述べましたが、私はまだまだ一般会員。残念ながら住宅医には認定されていません。ですが、九州にも多くの仲間ができてきました。そして、困ったときには気さくに相談に応じてくれる講師の先生方がいます。

 

ほんとにほんとに親切に相談に乗っていただけることにびっくりです(笑)

以前のブログより。

http://www.gururi-a.com/blog/109/

 

住宅も人と同じです。検診を受けて悪いところを見つけ、患者さんと治療方針を決めて治療します。また、それらをカルテに記録し以後の健康管理に役立てるのです。人と違う点は価値を高めて、再利用や売買を行うことができることでしょうか。

 

※この筋交いはあまり役に立っていません!の例です。

 

住宅医協会では、「人間ドック」あらため「既存ドック」と称して住宅を検査・改修工事・維持メンテナンスを行っていくようなシステム作りも行っています。

 

せっかくオペ(改修工事)をするのなら、最善をつくすべきだと考えています。

 

※こういうのを見つけるとうれしくなります。

先人たちの生活に思いをはせてしまいますね。

 

昨年は福岡で住宅医スクールが開催されていたこともあり、 いろいろかかわることができました。それもこれも、情報を提供していただける仲間ができたおかげと感謝しています。

  

※これは絵図板といい大工さんが作成するものです。

きっときちんとした大工さんが、工場での手刻みに使用したものでしょう。

 

写真と文章にあまり関連性はないのですが、調査をした時の思い出の写真を載せてみました(笑)

九州の住宅医の活動も盛り上げていけたらと思っています。

 

 長崎にも仲間がほしいなぁ~。

住宅医協会 既存ドックについて

突然ですが、住宅医協会のスクールを修了し住宅医協会に所属してます。

「住宅医」という言葉に耳なじみがないと思います。

 

以下協会のホームページより~~~

中古住宅の流通の活性化やリノベーションが一般に認知されるようになりましたが、それに伴う見かけだけの改築・リフォームが溢れることに危惧を抱き、

かかりつけの医者のように、患者(=既存住宅及びその施主)の状態をきちんと把握して対処できる人材の育成とその活動の後押しが、適切な既存住宅の改修に必要である

~~~~~~~

ということです。

目的は

以下協会のホームページより~~~

1.一般社団法人住宅医協会の目的

既存住宅の調査診断、改修、維持管理に関する技術開発と人材育成に関する活動を行い、住宅医の普及をもって持続可能な社会の構築に寄与すること

~~~~~~~~~

見かけだけのリフォームではなく、人も家も長生きできるように働きかけます。

 

具体的な流れとして、

1、まずはご自身で建物の点検を

http://www.kenchiku-bosai.or.jp/seismic/kodate/wooden_wagaya.html

コピーして配布は許されていないのでリンクを貼りました。

 

2、心配になった方は専門家に簡易の調査を依頼します。(有料、補助金あり)が、ここでどこに調査を依頼したらいいかがわからないのが実態です。

上記防災協会に「診断ができる事務所の一覧」が出ています。(なぜか私は出ていません)

3、それでもどうしたらいいのか、どこまで直すか迷われた時には詳細調査を行います。

ここからが人間ドックならぬ「既存ドック」と住宅医協会で称している詳細調査です。

これには費用が掛かります。

しかし詳細調査をすることで、現状を把握でき工事の方向性(寒いのを直したい・耐震を直したいなど)も明確にでき、トラブルも少なくなります。余計なところまで直さなくてよくなる分、工事費用が抑えられることもあります。また、工事中に金額が増えていく心配も抑えられます。

そして、なにより、後世に受け継ぐときの為に住宅のカルテができます。

詳細調査の費用は、30万が相場ですが、広さや状態、図面が残っているかなどの諸条件で金額は変わりますので、調査費用の見積もりを出してもらいます。

 

というのが、こちら側の考える良好な進行です(笑)

こうすることで、壊してみたら腐っていた!、とか、あるべき柱や基礎がない!など、

「あけてびっくり」が減ります。

 

長崎県内では「住宅医」の認知度が低いのが実態です。

お隣熊本県では多くの住宅医が誕生しています。

長崎県内でも関心が低いわけではないと感じています。

多くの方に知ってもらいたい。そのためにも私が頑張らないとですね。

 

低コスト 耐震補強

お隣佐賀県まで表題「低コスト耐震補強」の講習会を受講するために行ってきました。

 

 

せっかくなので以前より気になっていたお店「木と本

に立ち寄ってきました。

雰囲気も良く食事もおいしい!おすすめです!

 

前置きはこのくらいで、本題です。低コストで大丈夫なの?なんて私も思いました。

 

しかし「安かろう=悪かろう」ではありません。安くするための考え方やコツがあるのです。

 

先日、日本の伝統工法で設計している古川保先生のお話も記憶に新しかったのですんなり納得できました。

 

まず、どこを目標とするか!

 

木造といってもいろいろあります。昔ながらの瓦屋根、土壁のお家と、最近の性能評価・長期優良住宅の家では考え方が全く違います。昔のお家は「柔よく剛を制する」というヤワラ的な考え方です。(免震構造)

 

昔ながらの家は壊れる箇所を想定していて、修理もしやすいのです。土壁も剥がれ落ちて軽くなる、柱も見えているし、コミセン(木の釘代わりの物)から壊れるので躯体の柱や土台の木材はそのまま利用しやす。柱が基礎に緊結していない建物は制震構造ともいえますよね。重い瓦や大きな梁は柱や壁が浮き上がらないように働きます。そこで大切なのが「根がらみ」(床下の束や柱をつなぐ材です)だそうです。そして頬杖が有効だとも。興味深いです。

 

最近の住宅は剛の考えです。壁と床で箱がつぶれないように固めます。こちらも有効です。性能評価の耐震評価2・3の住宅は熊本の地震でも被害がなかったとか?(どこかで聞きかじった情報で少し自信がありませんが)ちなみに建築基準法は性能評価の1くらいですが、計算方法が違うので全く同じ強さとはいえないそうです。今後は性能評価の考え方を取り入れるべきでは?と言われているらしいです。

 

まとめると、簡単に考えた耐震補強はお金がかかるという話でした。その家その家にあった耐震補強方法が必要です。柔の考えの家に、数か所だけ壁を強くしたとすると弱いところが壊れてしまいます。瓦屋根はつぶれるから怖いと簡単に軽い屋根に吹き替え外壁も全部やり替えるのは、費用が増大します。壁を強くするとなるとそれを受ける基礎も強くしなければいけません。

 

安くするには、精密な調査と高度な計算が必要ということでした。今の基準法の考え方で治すのは簡単です。設計者も慣れた方法で図面を書くだけですし、施工業者も弱いところを壊してやり替えた方が簡単だしお金もたくさんもらえます(笑)

でも、設計は安全が何よりも大前提だと考えています。

一人でも多くの命を建物のせいでで亡くしたくないです。

 

なので多くの方が補強できるようにしなければなりません。

 

耐震補強をするとなると高額な費用がかかるので、「もう年だし死んでもいいです。」なんて、うちの母も言います(笑)来るか来ないかわからない地震のために高額なお金をかけるなら楽しい老後の生活に使った方がいいのかなぁ、と思ったりしていました。

しかし、これは無責任な考え方なんです。統計的に大地震で生存率が高いのはコミュニティーがしっかりしている地域なのだそうです。何が言いたいかというと、倒れた家から被災者を助け出しているのは80%が近隣住民なんだそうです。

そりゃそうです。お隣のおじいちゃん、おばあちゃんをほおってはおけないのが人の常。東日本大震災の時も高台から家族を助けに家に戻ろうとして亡くなった方が多かったのもしかり。自分は死んでもいいと思っていても、自分を助けようとして亡くなってしまう人がでるかもしれません。あるいは自分を助けるだけの時間を他の人の救出にあてることもできるかもしれません。

自分は自力で逃げ出して助ける側に回れるよう、準備をすることも大切ですよね。

 
 

それとも、「死でもいいです」と看板掲げましょうか?(これは名古屋工業大学 伊戸田氏のブラックジョーク(笑))

調査報告書

 最近、フェイスブックには仕事の話を載せていないので、遊んでばかりと思われているかもしれませんね(笑)。最近は協力事務所さんのお手伝いが多く、載せることができずにいました。低金利の影響でしょうか、みなさんお忙しいようで何よりです。

ローン組むなら今!(笑)なのかもしれません。(断言できません、お金がジャブジャブっていうのも不安ですし)

以上余談でした。

 

 

さて、

ようやく先月調査を行った熊本のお家の報告書を仕上げました。(住宅医協会の様式です)

まるまる1ヶ月かけてしまいました。

協会の講習会でも作成に1ヶ月かかかるとは伺っていました。

それでも先月は結構時間があいていたのでもっと早く仕上げるつもりでいたのに、やっぱり1ヶ月かかってしまいました。

お待たせしてしまい申し訳なく思います。

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本当は製本してお渡ししたかったのですが、時間と予算の関係でファイル綴じにさせていただきました。

事務所のインクジェットプリンター両面印刷、100ページ超です。

中身はといいますと、

 

2016-08-07 18.56.23

こんな感じです。

・現況の調査報告、

・劣化にたいして対策ができているか、

・現況の耐震性能(計算書別添)

・温熱・省エネルギー(計算書別添)

・維持管理対策はできているか

・バリアフリー対策はできているか

・火災時の安全対策はできているか

と盛りだくさんの内容です。 きっと、中身に目を通すだけでも大変だと思います。なので、最初の方に総評でイメージをつかめるようにグラフを用いる工夫がされています。

 

中身を読むと一般の方でも建物に対しての知識が深まること間違いなしです。プロと同じ目線でお話ができるようになるというメリットもあるかもしれません。その分、業界の人間はごまかしがきかなくなります。(だれもごまかさないと思いますが)

 

法律などは常に変化して、どんどん基準が高くなってきているため、建ててから年月を経た家はどうしても今の基準に合わない状態になってしまっています。

が、決して欠陥住宅ではないことだけは理解していただきたいです。現に、大きい地震に合われたこのお宅も、傷はつきましたが構造体に大きな損傷は見受けられませんでした。日本の住宅はなかなかのものです。

更にこれからは家のメンテナンスに力を入れて、中古住宅が価値のあるものになっていく社会が必要なのです。(という国の方針です)海外だと、DIYで中古物件に適切に手を入れて高くして売ることも可能なようです。日本も「壊して作る」から卒業して、古いものにも価値を与えて流通させるほうにシフトしていくことでしょう。

気候風土は違いますが、不可能ではないと思っています。

 

 

インクジェットプリンターだと、なかなか鮮明に見えないので、データをDVDに焼いて同封させていただきました。

先日の工場見学で感動したので(昭和堂さんありがとうございました)次回からは製本はプロにお任せしようと!と心に決めた次第です(笑)。

 

 

熊本の詳細調査

調査当日、早朝から強い雨が降っていましたが

到着するころには上がりました。

熱すぎず寒すぎず、絶好の調査日より?

 

小屋裏は、左官王子こと豊田保之さんが担当してくださいました。

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あとからお聞きしたのですが、詳細調査で一番きつい場所は小屋裏なのだそうです。

いろんな体勢で静止して書き込んだり、撮影したりするからだそうです。

なのに嫌な顔一つせず進んで小屋裏へ突入するお姿!さすが王子です!

ありがとうございました。調査後の汗だくのお姿を写真に残していないのが心残りでなりません。

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おかげで、写真や動画もとてもわかりやすかったです。

 

 

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外壁のクラックです。

多くの住宅で採用されていた、浴室の基礎をブロックである程度の高さまで立ち上げる工法だと、このように基礎の変わりめで亀裂が入ってしまいます。

その当時のスタンダードな工法なので我が家もこの工法です。

地震が来た時には要注意ですね。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

外の劣化の調査をしてくださっている方は、福岡の ‟ののデザイン” 渡邉さんです。

前日の懇親会でいきなり協力をお願いしてしまいましたが、快く引き受けてくださいました。

思っていた以上に調査は大変だったので本当に助かりました。

実は渡邉さん、宮崎帰りでお疲れだったのです。

なのに一日引きずり回してしまいました。ありがとうございました。IMG_1064 (4)

床下です。

地震の影響かと思われるクラックができています。

 

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右におわすお方は、日ごろお世話になっています江口さんです。

何をするかもわからないまま、協力を快諾してくれました(笑)

一緒に床下にもぐってくれました。汚れ仕事をありがとうございました。

真ん中で調査してくださっているのは、滝口さんです。

調査経験豊富な滝口さん、私の見落としがちな個所をいくつも見つけてくださいました。

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これは、ボードの釘が浮いてきているのだそうです。

これも、地震の影響で吹抜けのあるお宅に多く見られるようです。

吹抜けがある、つまり床がないと揺れも大きいようです。

ねじれを起こす要因にもなるとか。

床も大切なんですね。

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皆の汗がしみ込んだ調査の成果品です。

大切に、大切に精査しております。

(不慣れで、少し時間がかかってしまっています。すみません。)

講師をされるほどの方々に協力していただくことができたこと、

とても貴重な経験で学びも多かったです。

九州にも住宅医の輪を広められるように頑張ります!

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調査後、近くにある遺産を見に連れて行ってもらいました。

戦時中の陸軍高架水槽です。

左の壁に爆撃を受けた跡も残っています。

地震でも頑張って立っていたんですね。

「人とコンクリートは古い方がいい」と、「古い人」(?)から聞いたことがあります(笑)

新しくても「いい!」と言われるようにがんばろっと。(もうあたらしくないか(笑))

 

住宅医スクール

先日(7月9日10日)熊本へ足を運びました。

目的は、住宅医スクールの受講と友人宅の現況詳細調査です。

まずは、住宅医スクールについてです。

4講義中3講義は大阪で昨年、受講済みなのですがやはり少し中身も更新されており、
行って損はないなという感想です。(私が忘れている部分も多々あるのでなおさらなのですが)

三澤文子先生の講義では、天草の別荘の改修のお話が聞けたこと、
奥村先生の奥様 まことさんの手作りカルタの話は胸の熱くなるのを感じるお話でした。

滝口泰弘先生の講義は、新たに調査に用意した方がよいものの紹介など、
より実践に即したお話で、初心者としてはとても為になるものでした。

豊田保之先生のお話は、実際の改修経験の紹介ですが、伝統の土壁の良いところ、
難しい点をふまえてのお話です。気候を活かした設計等。
土壁を現在の住宅基準にするために、日々実験的な試みをされているので興味深いです。

そして、そして、4講義目です。
4講義目は特別講義で、旬のお話が聞けます。
今回は、熊本地震を受けて、急遽、熊本地震の調査分析状況報告と称し、
大橋好光先生のお話と変更になりました。
それが、とても興味深く大変勉強になりました。

・地震の揺れの特性により、壊れにくい建物がちがうこと。
・筋交い壁とボードの耐力壁との違い
・基準法の壁量計算と性能評価の壁量計算の違い
・だけど、木造住宅は強いのなぜか?
・そもそも、地域係数はどうしてできたのか?
・木造住宅を、もっと強くするにはどうしたらいいのか?

日経ホームビルダーに掲載予定とのことですので答えは書きませんが、
はじめて知る内容がてんこ盛りでした。
知りたい方は次の次の回?の日経ホームビルダーの購入を。

11年前の大橋先生の文章「住宅と木材 2005年1月号」よりの抜粋も引き付けられました。
おそらく他では聞けない国交省の思わくも聞けました。いろいろあったりするのですね。

長くなってしまいました。

調査の話は次回。

20160709_124232[1]

昼休みに水前寺公園に行ってきました。
北門から入場料を無視して入ってしまっていたようです。(後で気づきました)
水前寺公園の方、申し訳ありませんでした。